花粉アレルギーの仕組み
花粉が人の体に侵入してアレルギー反応を引き起こし、
その結果として花粉症の色々な症状が現れます。
この時、
体の中ではどんなことが起きているのでしょうか?
鼻の場合には次のような仕組みがわかっています。
1、花粉が吸いこまれると鼻の粘膜にはりついて中に入り込む
2、「花粉が入ってきた」と刺激が粘膜に伝わると、
血液中のBリンパ球が形質細胞に変化して、IGE抗体をたくさん作る。
花粉症の人はどんどん作りすぎてしまう。
花粉症ではない人はIGE抗体を少ししか作らない
3、IGE抗体が多くの肥満細胞と結合してため込まれる
ここまでが、アレルギー反応の準備段階です
1、花粉がまた入ってくると、ため込まれている
IGE抗体との間で抗原抗体反応が起きる
2、 その結果、IGE抗体にくっついていた肥満細胞から、化学伝達物質
(ヒスタミン、ヘパリン、トリプターゼなど)が放出される
3、 これらの化学伝達物質が鼻の知覚神経の末端を刺激したり、
血管の壁の水分の出入りを多くします。
そのために鼻のむずがゆさ、くしゃみ、鼻水、あるいは
鼻の粘膜のむくみによる鼻づまりなどの症状を引き起こします。
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花粉症はどうして増加傾向にあるのか?
花粉症と言えば、ごくありふれた
日常の病気のイメージが定着したようです。
ところが、
意外なことに花粉症は戦後に初めて
医師によって報告された新しい病気です。
1960年代前半に、ブタクサ花粉症、
ついでスギ花粉症の患者が見つかりました。
それからわずか30年間で花粉症、
特にスギ花粉症は爆発的に増加しました。
なぜ、ここまでスギ花粉症が増加したのか?
その原因を調べてみました。
1、スギの増加
戦後に大量植林されたスギが伐採されずに残り、
開花適齢期になっている。このため春のスギ花粉症の飛散量が増えている
2、排気ガス・大気汚染
排気ガスなどで汚染された大気中のたくさんの微粒子が花粉症を促進する
3、食環境の変化・食品汚染
食生活の変化に伴ってタンパク質の摂取量が増加したこと、
食品が添加物などで汚染されていることなどが
アレルギーを起こしやすくしている
4、住宅環境の変化
住宅やオフィスの近代化にともない、通気性の少ない
カビ、ダニの温床を作り、アレルギーを起こしやすくしている
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花粉症のその他の全身の不快な症状について
今まで述べたように鼻、目、喉、気管、皮膚などの
花粉がつき易い場所に花粉症の症状が現れます。
しかし、
多くの花粉症の患者さんから症状をお聞きしてみると、
この他にも色々な全身症状の訴えが聞かれます。
<全身のいろいろな症状>
胃腸症状
腹痛、便秘、下痢、食欲不振、消化不良、吐き気
神経・関節症状
頭痛、頭が重い、関節痛、めまい、立ちくらみ
その他の症状
疲れやすい、だるい、あくびが多い、眠たい
体のほてり、寒気、発熱、汗をかきやすい、動悸、気が滅入る
イライラする、無力感
これらの全身の症状のうちで、
どの症状がでるかは人によって違ってきます。
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花粉症の皮膚の不快な症状について
皮膚症状は花粉症の症状の中では少数派で
鼻や目の症状ほど多くはありません。
しかし
不快なうえに美容上の悩みが加わるので
皮膚症状の強く現れる人にとっては大変な災難です。
これは花粉が外気にさらされた皮膚に付いて、
アレルギー反応を起こし、その結果、現れる症状です。
汗ばんだところや化粧肌には特に花粉がつき易いので、
首、顔に症状が現れます。
耳や腕にも現れることがあります。
普段からアトピー性皮膚炎による皮膚症状があって、
花粉症の時期になると首から上や腕などの皮膚症状が悪化する人もいます。
<皮膚の症状(主に首、顔、耳の後ろ、腕など)>
皮膚がピンク色を帯びる、または赤くなる
皮膚面から盛り上がる、乾燥してカサカサザラザラになる
粉をふく、薄いかさぶたができてボロボロはがれてくる
かゆい、かくとジクジクした透明~黄色い液がしみだしてくる
かきこわして出血する
かきこわして皮膚がびらんになりヒリヒリ痛む
花粉症で化粧のノリが悪くなったと感じている
女性が多いと思います。
花粉症の肌対策として、まずは
花粉を肌によせつけない工夫と
付いた花粉をすばやく落とすことです。
花粉によって、肌荒れが生じた場合は
保湿ケアが必要です。
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4大アレルギー疾患と花粉症はどんな関係?
アレルギー疾患は一般的に症状の現れる
部位によって、病名がつけられています。
代表的な4大アレルギー疾患を紹介します。
1、アレルギー性鼻炎
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど鼻の症状
2、アレルギー性結膜炎
目がかゆい・充血など目の症状
3、気管支喘息
咳、ゼーゼーヒューヒュー、呼吸困難などの気管支症状
4、アトピー性皮膚炎
皮膚のかゆみ、赤み、カサカサジクジクなどの皮膚症状
これらの疾患を引き起こす原因となるアレルゲンは様々です。
ハウスダスト、ダニ、花粉などの環境アレルゲンや
牛乳、卵、大豆などの多くの食物アレルゲンがあります。
その中でハウスダストと花粉は
4大アレルギー疾患のいずれも起こします。
そこで
花粉が原因で起こされる4大アレルギー疾患を
すべてまとめて花粉症と呼んでいます。
したがって、
花粉症の症状は多彩ですが、特に鼻と目の症状が多く見られます。
このように花粉症と4大アレルギー疾患とは
密接で切り離せない関係にあります。